駅のホーム。
蒸し暑い日の、一陣の風が気持ち良く、
携帯電話を触る手を止める。
暫し風が身体をとおりぬけるのに、
身を任せる。
そよぐ風に揺れる髪が、
皮膚にそよぎ触れる感覚、
耳に聞こえる風の音とともに、
電車のアナウンスや、
小さな女の子の声が聞こえる。
夕方にさしかかる日差しが、
柔らかくホームを照らす。
見上げれば、柔らかな青空。
見逃しているものが、
たくさんあるんだな、と思う。
そんな、穏やかな日常があるからこそ、
私達は安心して、
些細な事で悩んだり、落ち込んだり、
怒ったり、喜んだりして、
生きていけるんだ。