今月初め、父が急逝した。
ちょうど、グリーフケアの臨床コースの二年目の授業が始まる直前の週の事。
入学条件の時は、家族が亡くなって三年経過した人が対象だった。
さて、受講中に家族が亡くなった時はどうなるのか。
私は、中断するつもりは全く無かった。
臨床コース二年目、初日。
父の死を知らせたグリーフケア講座の仲間が、気遣い、話を聞いてくれた。
講座を続けるつもりである事、今の思いなどを話していると、その内の一人が
「…強くなったんだねえ」と言われて、
素直にそうだなぁ、と思えた。
五年前弟が亡くなった時は、アロマセラピストの活動や、勉強、全く何もする気が起こらなかった。
日常生活が、ヴェールの向こう側みたいに現実味がなくて、
何もかも色を失っていて、なんの感情も、気力も無くなっていた。
けれども、今回は、それよりずっと、大丈夫だと感じる。
しょうもない事に苛立ちやムカつくことがある、とか、そういう感情がちゃんとある。
日常生活は目の前にある。
それは、弟のおかげだ。
今やっているグリーフケアの勉強も、弟がきっかけで、学んでいる事。
それがワタシを成長させてくれてきた。
そして、周りには、父の死の悲嘆にある私を安心して委ねられる人たちがいる。
だからこそ、学び続けたいと思った。
そして私にそのパワーが残っている事を感じる。
そして、アロマトリートメントを行うことも、私を救ってくれている。
あれから、自ら「仕」える「事」として、選んだ事。
それが逆に、私自身を支えているものだと、実感する。
五年前は持つ気力もなかった、
「その時」「その場」に集中する力を、
今持てるのは、
父を弟に預けられる、
という安心感のおかげもある。
全部、全部。
弟のおかげだ。
この世であえなくなってから、
むしろ、弟の存在の大きさを感じる。
私の中で弟は生き続けるというのは、そういう事なんだと実感する。
そして、父もまたそういう存在になってゆくのだと思う。